「認知療法トレーニング・ブック」で認知療法をやってみた感想

前回、「こころが晴れるノート」という本で認知療法を行った記事を書きました。

今回は、「認知療法レーニング・ブック」という本を元に認知療法を行ってみました。

購入した「認知療法レーニング・ブック」

「こころが晴れるノート」で認知療法を行ったのは約5年前でした。

認知療法レーニング・ブック」では、

数週間前に行った認知療法の結果を書いています。

両方の本で認知療法を行ってみた感想、認知療法がおすすめな人についても

紹介しています。

認知療法ウォーミング・アップ

自動思考とは?

私たちの頭に浮かぶ考えには、
そのときどきにふと浮かぶ考えやイメージがあります。
この考えやイメージのことを自動思考といいいます。
自動思考は、たえず私たちの頭に浮かんでいます。
たとえば、この本を読んでいる最中に
「自動思考って、しょっちゅう浮かんでいるものなんだ」
という自動思考が浮かんだり、
「今晩のおかず、何にしようかなぁ」
という自動思考が浮かんだり。

一方、信念と呼ばれる考えもあります。
これは、自動思考よりももっと心の奥深くにある考えのことであり、
自分や世の中に対する、かなり一貫したとらえ方を示します。
つまり、ちょっとのことでは変わらない考えといえます。

認知療法レーニング・ブック」より引用

 

気分のありようは考え方しだい

例として、次のような場面を想像してください。

あなたは友人にメッセージを送りました。
ところが、しばらく経っても返事か返ってきません。
その時、次のような考えが浮かびました。

 

「メールの内容が気に障ったのかも」
という自動思考が浮かんだ人

自分に対する信念
私は誰からも嫌われてはならない
世の中に対する信念
他人は私のことを知れば知るほど、私のことが嫌いになる


返事をすぐに返してこないなんて、なんて失礼な奴だ
という自動思考が浮かんだ人

自分に対する信念
私は誰からも尊重されるべきだ
世の中に対する信念
他人は、油断すると自分をバカにする


手が離せない用事があって、忙しいのだろう
という自動思考が浮かんだ人

自分に対する信念
私はそれなりにやっていける
世の中に対する信念
世間は捨てたものではない

 

このように、信念は自動思考を左右する大きな力を持っています。

認知療法レーニング・ブック」より引用

 

自動思考と信念の違い

自動思考は、そのときそのときの状況に限った内容を表しています。

3つの考えはメールの返信が来ないという状況に当てはまりますが、
そのほかの状況にはあてはまりません。
メールと関係なく食事をするときに
「メールの内容が気に障ったかも」とは考えませんよね。

一方、信念はどのような状況にも当てはまります。


たとえば、注文したラーメンがなかなか来ない状況を想像してください。

私は誰からも嫌われてはならない」という信念をもっていると、
まだかどうか尋ねたいけど、『うるさい客だな』って思われたら嫌だし
という自動思考が浮かんで、店員に「まだですか?」
と言いにくいでしょう。
私は誰からも尊重されるべきだ」という信念を持っていると、
まだ来ないなんて、バカにしている!
という自動思考が浮かんで、店員に「いつまで待たせるんだ!」
と怒鳴るかもしれません。


このように、信念はどのような状況にも当てはまるからこそ、
そのときそのときの自動思考を生み出すもととなっているのです。

自動思考と信念は、とらえやすさにおいてもかなり異なります。
自動思考は意識に上りやすい考えなので、比較的簡単につかまえることができます
もちろん、私たちは自動思考を意識しながら生活しているわけではないので、
普段は自動思考に気づいていないことの方が多いかもしれません。
ですが、何かはっきりした気分を味わったときに、
「いま、どんなことが頭に浮かんだの?」と自分に尋ねてみると、
ある程度自動思考をつかまえることができます。
自動思考は、意識してとらえるように練習すれば、

簡単につかまえられるようになります。

 

それに対して、信念はとらえるのが難しい考えです。
これには2つのわけがあります。
信念は自動思考と比べて心の奥深くにあるものなので、

意識に上りにくいという性質があります。
そのため、自動思考よりもつかまえにくいのです。
また、信念は長く慣れ親しんできた考えであるため、
私たちは自分の信念に違和感を覚えません
普段、あなたは呼吸しているときに、
「私は今、息をしている」とは考えませんね。当たり前だからです。
それと同じように、信念は当然のものとして私たちの心の中に存在しているので、
自動思考と比べて意識するのが容易ではないのです。

認知療法レーニング・ブック」より引用

 

プラス思考は人を幸せにするか

私はいつも失敗続きの最低の人間だ」というマイナス思考は、とても極端です。

些細な成功もあれば、失敗や成功に振り分けられない体験もあるからです。

反対に、「私は何でもできる最高の人間だ」というプラス思考も、とても極端です。

できないこともあれば、失敗することもあるからです。

当然ながら、できるできないでとらえきれない体験もあります。

プラス思考やポジティブな考えがもてはやされますが、

多くの場合それらは現実とかけ離れた絵に描いた餅であり、

そんな考えを頑張ってみつけたところで、あまり役には立たないでしょうし、

あなたを幸せにしてくれません。

この本であなたに身に着けてもらいたい技は、

マイナス思考をやめてプラス思考を見つけだす方法……ではないのです。

認知療法レーニング・ブック」より引用

 

自分で考え方の幅を広げられるようになることが目標

☆やってみよう

考え方の幅を広げるということを、これから試してみましょう。
ペットボトルを思い浮かべてください。
これは、本来は中に飲み物を入れて、飲むための用途に使う道具ですね。
「ペットボトル(A)は、飲むための道具(B)である」というわけです。
では、ペットボトルを「飲み物を飲む」以外で使うとすると、
どのような用途が考えられますか?
思いつく限り書き出してみてください。

 

・じょうろの代わりに使う
・半分に切って、植物を育てるプランターにする

 

この本でお手伝いしたいことは、
あなたが自分で考え方の幅を広げられるようにする技を
身につけられるようにすることです。

認知療法レーニング・ブック」より引用

 

ユガミンを見つけよう

8匹のユガミンたち

大きくて頑丈になった考え方のクセのことを、
この本ではユガミンと呼んでいます。
ユガミンは、全部で8匹います。
私達は、すべてのユガミンを心の中に飼っています。
ですが、強いストレスにさらされたときに影響力を持つユガミンは、
人それぞれ違います。

シロクロン

物事を「白か黒か」で割り切り、完璧を求めさせることが得意なユガミンです。

シロクロンと仲良くなりすぎると
完璧でなければ納得できないため、自分の行いを振り返って
少しでも満足できないと、「これは失敗だ」などど全否定し、
自信を失ってしまいます。

フィルタン
物事の悪い面ばかりが目につき、良い点やうまくいったことなど
他のことを見えなくさせてしまうのが得意なユガミンです。

フィルタンと仲良くなりすぎると
悲観的なフィルターを通して自分や世の中を見てしまうと、
何事も悲観的に見えてしまうため気分も当然暗くなります。

ラベラー
物事や人に「〇〇である」と否定的なラベルを貼り、
一度貼ったらはがさないユガミンです。

ラベラーと仲良くなりすぎると
あらゆるものに否定的なラベルを貼り、
そのラベルから浮かぶイメージに振り回されて
冷静な判断ができなくなります。

マグミニ
自分の端緒や失敗を実際より大げさに考えて、
反対に自分の長所や成功をより小さくとらえることが得意なユガミンです。

マグミニと仲良くなりすぎると
些細なミスや失敗を大げさに考えすぎて憂うつや不安な気分になったり、
自分のいいところを「できて当たり前」と考えて
ポジティブに評価できなくなったりします。

ベッキー
自分や他人に対して「〇〇すべき」、「〇〇でなければならない」
と考えることが得意なユガミンです。

ベッキーと仲良くなりすぎると
ルールに縛られて生活が窮屈になったり、
自分や他者の失敗を許せず怒りや緊張を感じやすくなったりします。

ジーブン
良くない出来事が起こると、自分に関係がないにもかかわらず、
自分のせいだと考えるのが得意なユガミンです。

ジーブンと仲良くなりすぎると
何か悪いことが起こると、自分のせいでそうなったのだと
自分を責めてしまうため、自分が嫌いになってしまいます。

パンカー
わずかな出来事を根拠にあらゆる出来事が同じような結果になると
一般化しすぎるのが得意なユガミンです。

パンカーと仲良くなりすぎると
嫌なことが繰り返し怒っているように感じてしまうため、
落ち込みやすくなります。

ジャンパー
確かな理由もないのに、
悲観的な思い付きを信じ込んでしまうことが得意なユガミンです。

ジャンパーと仲良くなりすぎると
物事が確実に悪い結果になると早合点してしまうなど、
良くない結果を先読みしてしまい、不安定な気分に苦しみます。

認知療法レーニング・ブック」より引用

 

考え方の幅を広げてみよう

やってみよう!認知療法レーニン

見つめなおし日記

1.嫌な気分になったのは

  いつ?  1週間前
  どこで? 家で
  誰と?  一人で
  何をしていた時? 腹痛で横になっていた時 

 

2.その時浮かんだ考えは

 〇私は具合が悪くて寝てばかりいる駄目な人間だ。
 〇仕事ができなくて家族に迷惑をかけてばかりだ。
  早く良くなって働かなければいけない。

2であなたを一番つらくさせる考えを
1つ選び〇をつけてください。


3.どんな気分?それは100点満点中何点ぐらい?

 ・[憂うつ]…90点
 ・[みじめ]…90点

 

4.〇がついた考えにくっついているユガミンはだれ?
  その理由は?

シロクロン 自分は家族に迷惑をかけてばかりだと決めつけている。
ラベラー  「駄目な人間」とラベルを貼ってしまっている。
ベッキー  早く働くべきだと思っている。

 

5.ユガミンと上手につきあうための7つの質問

①その考えがその通りだと思える理由は?

午後は横になっていることがある。

仕事はまだできないのか、という話を父から時々される。


②その考えと矛盾する事実は?

最近は横になることが少なく、活動できる時間が増えてきた。

以前よりも仕事について父から言われる頻度が減った。


③その考えのままでいるデメリット(良くない点)は?

自分自身を責めて落ち込んでしまう。

かえって具合を悪くしてしまう可能性がある。


④この状況であなたが頑張っている点や良いことは?

夕食づくり、庭の手入れ、家族との会話。

食事を見直す、ヨガをするなど、体調と思考の改善をするために

本や動画を見て色々実践している。


⑤親しい人が同じ考えで苦しんでいたら何と言ってあげる?

辛い症状に苦しんでいる中で、少しでもできることをやっているのは

いいことだと思う。


⑥この考えから解放されるために何をすればよい?

自分ができているところを褒める。

「自分は今できることを少しずつ実践している」ことを父に伝える。

それでも理解してもらえなければあきらめて、できるだけ気にしない。

気分転換で楽しいことをして考えないようにする。


⑦自分にどんなことを言ってあげると楽になりそう?

周囲から見れば「もっとできる」と思われるかもしれないけど、

やりたいと思ってもできないことが多いのは自分が一番わかっていて、

凄く辛い。

そんな中でも、食事や考え方を見直して、少しでも自分が生きやすくなるように

努力してるのはいいことだと思う。

心無い言葉を言われても、私は私の努力を信じて生きていけばいいと思う。


6.7つの質問をまとめて、バランスの良い考えにすると

調子のいいときもあれば、悪いときもある。

調子の悪いときのことばかり目を向けて、自分を責めてしまった。

これからはできていることにも目を向けて、自分を褒めることもしたい。


7.そう考えると、『3』の気分の点数がどう変わるかな?

 ・[憂うつ]…70点
 ・[みじめ]…60点

認知療法レーニング・ブック」より設問を引用

 

認知療法をやってみて

認知療法をやってみた感想

以前認知療法をやった時も感じたのですが、やはり自分は

マイナス思考、自責が根付いているため普段から悲観的になるのだなと思いました。

父から仕事のことについて言われた時、「自分が悪い」と考えていました。

一方で、「病気で辛いのに、どうしてそんなことを言うの?」

と考える人もいるかもしれません。

どちらの考えがいい、悪いではなく、「そういう考え方もできる」ということが

頭にあるだけで、考え方が大きく変わるなと感じました。

過去にうつ病が酷かった時の自分を振り返ってみると、

落ち込んでいるときは、特に自分の思考の癖が出やすかったと思います。

うつ病になったのは自分のせいだ」

「何もできない自分は駄目だ、生きていても仕方がない」

今、当時の考えを見ると、これらの考えがとても極端で、

根拠のないものだということが分かります。

あるいは、うつ病でない人からすれば認知療法をせずともこれらの考え方は

極端だと最初から思っている方も多いかもしれません。

ですが、うつ病が酷いときはこれらの考えが自分の中では当たり前で、

正しくて、このような考え方以外はできなかったのです。

それだけ落ち込みが酷く、他の考え方を

受け入れられない状態だったのだと思います。

 

本当にうつ病が酷くて、起き上がれなくて毎日涙が出てくるような人には

認知療法よりも先にとにかく休んでほしいです。

色々考えるよりもまずは体と心をゆっくり回復するのが第一です。

一時期、私は頭の中では次々に悪いことや悲しいことが浮かんで消えず、

世の中のすべてに絶望して生きていることをやめたいと思いました。

周囲の人の優しい言葉も受け入れられず、否定的で悲観的でした。

それでも半年から1年ほどひたすら休んで、少しずつ回復してきました。

うつ病を受け入れられなかった自分から、うつ病とどう向き合うかを

考える自分に変わっていきました。

2年ほど経って、少しずつ活動ができるようになりました。

今まで健康に過ごしてきた方からすれば、

「そんなに回復するまでに時間がかかるのか」

と思われるかもしれません。私もそうでした。

しかも、回復したから完治した、ということでもありません。

うつ病には波があり、今でも気分の波と向き合って生きています。

良くなって学校に通えた、就職できた後にまた悪化して寝たきりに

逆戻りという経験もしました。

おそらく、うつ病以外の病気でもそうだと思いますが、病気になって

すぐに受け入れられる人の方が少ないのではないかと思います。

病気になった事実を受け入れ、向き合っていくまでにはある程度の時間と

心の余裕が必要です。

自分の病気が回復してきて、認知療法をやってみようかな」と自発的に

思えた時、少しやってみるくらいの気持ちでいいのではないでしょうか。

私自身、本を読む、動画を見るまでにもかなりの時間がかかりました。

何かをしたいという欲求が出てきたときに、もし興味があれば

やってみてください!

 

認知療法をおすすめする人

・悲しい、辛い、怒りなどの気持ちがなかなか消えない人

誰しもが悲しい、辛い、怒りなどの体験をしたことがあると思います。

その後、悲しい気持ちや辛い気持ちがずっと心に残り、

どうしても消えないという経験をしたことをある方におすすめです。

逆に、その時の感情はその時限りで引きずらないという方には、

この本の内容はあまり理解できないかもしれません。

自分が過去に感じた悲しみや辛さに向き合って考え方を変えていくからです。

悲しい経験や辛い思いをして、今も辛い。またはイライラする

という経験が1つでもあれば、この本で考え方を変えるヒントを

見つけられるかもしれません。

 

・マイナス思考をしがちな人

普段からマイナス思考をしていると、気分が憂うつになり、楽しいと

思えることが少なくなってくると思います。

自分でもマイナス思考をやめたいけど、どうしたらいいのかわからない……。

そのような人に認知療法がおすすめです。

認知療法と書くと堅苦しくて難しそう、または病気の人がやるものなのでは?

と思われるかもしれません。

しかし、この本ではイラストや事例を多用して分かりやすく説明しています。

病気ではない人が実践しても、自分の考え方を客観的に見られて

とても参考になります。

そして、本の事例では様々な考えの人の事例が出てくるため、

事例の人たちが自分の考えをどのように変えていったのかを見ることができ、

他人の考え方の癖を知ることもできます。

他人の考え方の癖を複数理解していれば、日常の会話の中で

この人はこういう考え方の癖がある人なんだな」と思うことができます。

もちろん、考え方の癖がその人のすべての人間性ではないと思いますが、

その人の一部であることは確かです。

相手の言葉や考え方で、自分が傷つかないようにするための1つの考え方として

参考になる部分がたくさんあります。

 

・自分の考え方の癖を知りたい・改善したい人

普段、自分はどのように物事を考える傾向があるのかとじっくり考える人は

ほとんどいないと思います。

自分はなぜこういう考え方になるのか?

自分はどんな考え方の癖があるのか?

これらについて考えてみたい、知りたいという方にも認知療法がおすすめです。

この本の続きには「行動で試してみよう」「信念に挑戦しよう

という項目があります。

自分の仮定した考えを実践してみたらどうなるのか?

自分の中の信念とは何なのか?

ということに興味があって、やってみたいと思う方はぜひ読んでみてください。

 

「こころが晴れるノート」との違い、おすすめする人

認知療法レーニング・ブック

・イラストや事例での説明が多い

・ストレスに関するコラムがある

・信念について触れている

 

自分の考え方の癖、信念などを深く考える認知療法をしたい方におすすめ。

イラストや事例で、他人の思考の癖についても理解できます。

 

こころが晴れるノート

・図での説明が多い

うつ病に関するコラムがある

・生活のリズムについて触れている

 

不安が強く、生活習慣を整えながら認知療法をしたい方におすすめ。

週間活動記録表で、生活リズムの見直しができます。

 

どちらの本も大変参考になりました。

この1回だけで終わらず、定期的に認知療法を行って

自分の考え方の変化について見ていきたいと思います。

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