『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を観てきました。
凄く考えさせられる結末でしたね……。
こんなラストだとは思いもせず、驚きと困惑でいっぱいになりました。
映画の感想と考察の前に、私がちいかわについてどの程度の知識があったのか
先に説明します。
原作のちいかわは1巻分だけ読んだことがあって、
主要キャラ3人とモモンガあたりは知っていました。
「大人がハマる」「物語が深い」などはよく聞いていましたが、
当時はそこまで読み進めてはいませんでした。
アニメがあるのも知っていましたが、見ていませんでした。
なぜ映画を観ようと思ったのか
そんな中、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が公開決定。
映画では漫画やアニメでは味わえない大スクリーンや音響設備があるので、
ちいかわの映画でそれがどのように表現されるのかとても興味がありました。
映画館ならではの空気感が好きなので、
「これは行ってみたいかも」
と思い始めました。
それを後押ししたのが入場者特典第1弾のミニチャームフィギュアです。
「すっごく可愛い!!欲しい!」
となりました。
なくなり次第配布終了だったので、すぐにチケットをネット予約。
翌日、映画を見に行きました。
映画の感想・考察
「善悪とは何か」について深く考えさせられました。
映画全体としては、
「誰が悪かったのか?どうして悪いのか?」
を観た人に考えさせるテーマだったと思います。
最初のほうは、
島民の誰かに人魚を食べられたセイレーンたち。
怒ったセイレーンは、仕返しに犯人が見つかるまで島民たちを食べることにした。
という流れで情報がわかっていきます。
ここから、
人魚を殺害した島民=ヒトハ
セイレーンによって重傷を負った島民=フタバ
とします。
その後に回想シーンを見ることで、実は
人魚を食べた島民は、以前セイレーンによって重傷を負った島民とその仲間
つまり、フタバとヒトハだった。
フタバに重傷を負わせたことについて、セイレーンは気づいていなかった。
この2つが前提として存在していることが分かります。
誰が悪かったのか?
セイレーンがまず悪いことを最初にしました。
気づかなかったとはいえ、フタバに重傷を負わせたからです。
その後、ヒトハも悪いことをしました。
人魚を殺害して食べたからです。
さらにその後、セイレーンが犯人捜しのために島民を食べ始めました。
両方悪いことをしていますが、
もし人間社会ならセイレーンの方が罪が重いと思います。
(島民を食べた数が多いので)
ちいかわたちは最初にヒトハ、フタバと出会って仲良くなり、
セイレーン討伐のために一緒に行動していました。
映画のたき火シーンで、ちいかわがヒトハ、フタバに
「人魚を食べたのはヒトハとフタバなのか」
と聞けなかったのは、仲良くなった友達が酷い目に合うのを
見たくなかったからだと思います。
もしこの2人が人魚を食べたと分かれば、
必ずセイレーンが2人を食べてしまうと気づいて、葛藤の末に
何も見なかったことにして、この問いをしなかった。
人魚を食べるとできる印である「単3電池」の部分を確実に
見てしまった描写がわかるのはちいかわだけです。
(追記あり)
一見美しい友情物語に見えますが、セイレーン側からしたら
大切な仲間を殺した犯人を知っているのに
言わなかったことになります。
もしもちいかわたちがセイレーンたちともっと早く出会って、
ヒトハとフタバよりも親しくなっていたらちいかわの選択は変わったのか。
そういった点を考えるのも面白いです。
和解の道はなかったのか
セイレーンと島民は、映画の描写からおそらく意思疎通ができると考えます。
またセイレーンは、ちいかわたちを人魚を食べた犯人だと
勘違いして最初に襲った時、「間違えてごめんね」
と言っていました。
このセリフからして、かなり友好的な態度で接しています。
フタバが重傷を負った後、ヒトハがセイレーンに事情を説明すれば
セイレーンが謝ってくれた可能性もあったのかなと思いました。
でも、ヒトハは大事な仲間を酷い目にあわされた怒りに加えて
人魚の伝説の本の内容、「永遠のいのち」のことを思い出してしまった。
あの瞬間、ヒトハはセイレーンたちへの怒りで頭がいっぱいになり、
自分たちが人魚を食べた後にセイレーンたちがどんな行動をとるかまでは
考えられなかったと思います。
こういった「もしもこうだったら分かり合えたはず」がすべて食い違い、
最終的には争いや対立を生む構図は人間社会でもよくあります。
「どうしてあの時、こういう行動ができなかったのか」
「もっといい方法があったのではないか」
生きていくうえで、こうした問題と葛藤からは逃れられません。
ちいかわは、ヒトハとフタバが人魚を食べたことについて
話すかどうか迷っていました。
ここに、より人間らしさを感じました。
善悪だけでなく、自分の気持ちや周りとの関係性によって
感情が揺れ動いてしまうのは、とても人間らしい描写です。
ちいかわ人気の考察
一見
「かわいい動物たちのほのぼの物語」
に見えるちいかわですが、こうした
「人間も抱えている問題や葛藤に向き合う姿」
を見て、共感・応援したくなる人が多いから人気が高いのかな、と思いました。
外見がかわいい分、難しい問題や葛藤を抱えているギャップもあって
庇護欲が生まれる部分もあると思います。
ちいかわたちの外見が人間だったら、現実的すぎて見ていて辛くなる人が
多いのではないでしょうか。
ちいさくてかわいい生き物で、さらに性別も不明に見える。
丸いフォルムで柔らかそうな見た目。
この外見と世界観のギャップに、私自身もハマりました。
各キャラクターの印象に残ったシーン
ちいかわ
・モモンガに飴をあげるシーン
ちょっと嫌そうな顔をしながらも結局飴をあげる優しいところ。
・仲間たちがセイレーンに連れ去られた後、一人で泣きながらみんなを探すシーン
かわいそうだけどかわいいと思ってしまいました。
一人だけど行動しなきゃ、という決意が見られて応援したくなりました。
・たき火のシーン
ヒトハとフタバに「人魚を食べたのか?」について聞くかどうか迷って、
結局言わなかったところ。これは良いとも悪いとも言えない判断だけど、
そこに人間らしさを感じて共感しました。
ハチワレ
・「今日の日はさようなら」を歌うシーン
友達と過ごす時間が嬉しくて思わず歌ってしまったのかな、と思うような
輝いた目が微笑ましかったです。歌もとても上手。
・セイレーンにつかまって昆布で巻かれたとき、
落ち込んで耳が垂れているがラッコに励まされて立ち直るシーン
感情で耳が動くところがかわいい。すぐに考え方を切り替えて
前向きになれるところがいいなと思いました。
・セイレーンの口に激辛カレーを運ぶ時の「なんとかなれーッ!」
このセリフ聞いたことある!となりました。なんだか癖になって
なんとかなってほしいときについ言いたくなりそう。
うさぎ
・ラッコが捕まった後に作戦会議をしてからのほうがいい、となったが
「ハァ?」と言って今すぐ助けに行こうとするような言動をしていたシーン
うさぎの「ハァ?」の後にハチワレが
「そうだね、今すぐ助けに行こう!」みたいなことを言っていたので、
おそらくうさぎはすぐ助けに行こうという内容を話していたのかなと思いました。
・ラップシーン
映画の中でも特に好きだったシーン。
最初は「いきなり何!?」とびっくりしましたが
ラップ自体のリズムや音がとても良くて癖になりました。
セイレーンの歌を妨害して力を弱めるためだったところも
よく考えて行動していたんだな~と思いました。
・島から帰る船で、ちいかわに「飴が欲しい」と言うシーン
うさぎはすべて知っていたうえで、ちいかわに人魚のうろこを
取り出させたのではないか?と考えてしまいました。
もしそうならとても優しい友達。
モモンガ
・ちいかわの耳をつかんで引っ張り上げるシーン
もっと他につかむところがあったのでは?
でも一応助けてはあげるんだな、という複雑な気持ちになりました。
飴がなかったら助けてくれなかったんだろうか……。
ラッコ
・甘いものにつられて島に行くことを決めたシーン
甘党なのかな?ギャップがあっていいキャラです。
・戦闘シーン
ハチワレに「先生」と呼ばれていたので、強いんだろうなと思いました。
持っている剣でセイレーンのツタを斬るところがかっこよかったです。
くりまんじゅう
・お酒を飲むシーン
特別、何をしたというわけではないですが
存在自体がちょっと特殊。お酒シーンのBGMが好きです。
シーサー
・「うれシーサー」のシーン
かわいい。
・お酒についてメモをしているシーン
くりまんじゅうからお酒について聞いてメモを取っていたので、
勉強家なのかな?と思いました。
古本屋
・モモンガのことを気にかけているシーン
2人の関係性についてはわからないですが
他の仲間よりは特別な関係なのかな?
原作を読んでみようと思いました。
ヒトハ
・人魚をおそらく殴って気絶させたシーン
殴った時の音が結構リアルで驚きました。
さすがに直接的な描写はなく暗転しましたが、想像するだけで恐ろしいです。
・煮つけにした人魚を自分も食べたシーン
フタバが「ヒトハも食べて!」と言わんばかりに
必死に人魚の煮つけを押し付けていました。
おそらく、その数秒間の間に「永遠のいのち」について
大きな葛藤があったと思います。
フタバ
・人魚の煮つけを食べた後、永遠のいのちの意味を知ったシーン
永遠のいのちがあるということは、周りの仲間がいなくなっても
自分一人だけがずっと生きているということ。
それはとても寂しくて恐ろしいことだとフタバは気づきました。
「永遠のいのちが手に入った!嬉しい」ではなく、
「永遠のいのちは孤独で恐ろしいもの」という反応になったのが
興味深かったです。
ヒトハとフタバ 2人のシーン
・たき火のシーンで、ちいかわが2人に「人魚を食べたの?」
と聞こうか迷っていた時に2人は手をつなぎ、その手が震えていたところ。
ここで人魚を食べたことがバレたら、もう自分たちは
「オリに入れてなんかずっと暗いとこ」になってしまう。
その恐怖に2人で耐えようとしているのを見て辛くなりました。
・2人で違う島へ行くシーン
新しい場所で2人の永遠の暮らしが始められたのはとてもいいことですが、
本当にこれで解決したのかという疑問が残りました。
セイレーンと人魚
・歌うシーン
セイレーンたちの美しく透き通る歌声に魅了されました。
声自体にかわいさがあるのに、ハーモニーが加わることで
どこか不穏なメロディーになる。
3拍子なのも不安定な要素を作っていると思います。
・「わかった!」のシーン
最初、「島の人たちを襲わないで」に対する
「わかった!」だと思っていました。
でも、その後にヒトハとフタバの回想シーンを見て
2人が人魚を食べた犯人だとセイレーンが気付いた、
という意味の「わかった!」だと気づき、ぞっとしました。
・おそらくヒトハとフタバが新しい暮らしを始めた島の近くに
セイレーンと人魚が向かっているようなラストシーン
「あ、これはもう駄目なんだ。逃げ切れなかったんだ」と思いました。
ヒトハとフタバは新しい生活を始めましたが、
セイレーンたちが後を追ってきたんだなと推測できるシーンでした。
おそらくあの後、2人はセイレーンによって
「オリに入れてなんかずっと暗いとこ」にされたのではないかと
思わずにはいられません。
これがラストシーンなの、後味悪すぎる!
でも映画の構成として凄くいいラストシーンでした。
島二郎
・登場シーン
「なんか世界観が違うキャラクターが出てきた!」と驚きました。
様々な角度から島二郎の全身が映され、「島二郎」と名前が表示されるのが
ちょっとシュールで笑ってしまいした。
・セイレーンとの戦闘シーン
腕を全速力で回してセイレーンのツタを避ける動きが
かっこよかったです。
・島の歌が貝汁と貝汁カレーになっていたシーン
「全部貝汁と貝汁カレーになってる!」と笑ってしまいました。
島二郎も歌ってるし音楽自体もなんだか豪華になっていましたね!
追記
うさぎはフタバの単3について気づいていたのかはっきりとわかりませんでしたが、
ラストシーンでちいかわに飴がほしいと言っていた場面を見るに
おそらく気づいていたのではないかと思います。
ちいかわがセイレーンを撃退しようとしたときに
飴を使いきってしまったので、飴はすべてなくなっていました。
そして、うさぎは映画を見る中で、危機に直面した時はなんやかんやで
それを突破する行動を率先してとっていました。
(セイレーンに追いつかれそうになった時に全速力でオールをこぐ、
急にラップを始めたと思ったらセイレーンの力を弱めるためだったなど)
そんなうさぎが、飴がすべてなくなっていたことに気づかずに
ラストシーンでちいかわに飴が欲しいと言うだろうか?
と疑問に思いました。
ちいかわは作中で何度かポシェットを強く握りしめる場面があります。
その中にはちいかわが拾った人魚のうろこが1枚入っていました。
その姿を見て、うさぎはちいかわが悩んでいることを見抜いて
わざと飴が欲しいといってポシェットを開けさせたのではないか。
そんな考えも浮かんできました。
ちいかわが船の上でポシェットを開けて人魚のうろこを取り出すと、
風に吹かれて遠い海の向こうへ飛んでいき、見えなくなります。
もし、ちいかわがポシェットに人魚のうろこを入れたまま帰って
家で1人になってからそのうろこを見たら……。
おそらく、悲しい気持ちになるんだろうなと思いました。
自分は正しかったのだろうか、
本当のことを言ったほうが良かったのかな?と
考えてしまいそうな気がします。
そんな風にちいかわが悩まないためのうさぎの行動だったとしたら、
とても友達思いだと思いました。
映画を2回観に行った&くら寿司コラボの話
第1弾のチャームと第3弾のごきげんセイレーンが欲しくて
2回観に行きました!
どちらもちいかわでした。ちいかわも映画を見てから
以前より好きになったので嬉しいです。
そしてくら寿司とのコラボも行ってきました!
通常モードでスリルを味わいながらやりました。
びっくらポンのちいかわ版映像、かわいかったです。
7回中3回あたり、すべてハチワレが当たりました。
缶バッジが2つとマグネットが1つです。
お寿司のフィギュアが欲しかったのでちょっと残念。
3000円以上で必ずもらえる巾着は、ちいかわを貰いました!
コラボが始まった次の日に行ったのですが、
うさぎの巾着はすでになくなっていました。うさぎは人気なんですね。
第2弾と第3弾もあるので、また行ってきたいです。

映画特典とくら寿司コラボ景品

ごきげんセイレーン ちいかわ
まとめ・ちいかわに見事にハマった
・色々考えさせられる深いテーマ
・ファンタジーの世界なのに人間社会にも通ずるリアルさがある
・キャラクターデザインがかわいい
・キャラクター同士の友情物語に共感
今後、ちいかわ原作の漫画を読んでまた感想を書きたいです!

映画イメージの水彩画